【すべてはひとつ】僕たちは皆「分けることができない全体」である

アルケミスト
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「すべてはひとつ」とは

この記事は今までずっと書きたくて、でも書けなかった内容です。

なぜ書けなかったかというと、僕の文章力だとちゃんと説明しきる自信がない上に、伝え方によってはちょっとあぶない人だと思われかねないテーマだからです。

とはいえ自己啓発をテーマにブログを運営している限り、避けては通れないテーマでもあるので、とりあえず記事を書いてみて後から直せばいいかくらいの気持ちで書き出します。

今日ご紹介したいのはすべてはひとつというキーワードです。

言葉の意味は読んで字のごとく、「すべてのものは『ひとつ』である」という、ほんとそのままの意味です。

僕はあなたで、あなたは僕。つまり「ひとつ」です。

僕は宇宙で、宇宙は僕。つまり「ひとつ」です。

人間も動物も植物も、生きとし生けるものみな「ひとつ」です。

月や石や風や太陽みたいな無生物もみな「ひとつ」です。

敵も味方もないんです。「すべてはひとつ」だから。

善も悪もないんです。「すべてはひとつ」だから。

成功も失敗もないんです。「すべてはひとつ」だから。

大人も子どももありません。「すべてはひとつ」だから。

善良な市民も凶悪な犯罪者もありません。「すべてはひとつ」だから。

生も死もひとつ。

栄光も挫折もひとつ。

強さと弱さもひとつ。

光と闇もひとつ。

「すべてはひとつ」とはつまり、そういう意味です。

スピリチュアルな感じで、受け止め方によってはただのキレイごとみたいに聞こえるかもしれません。

自分も初めはそう思っていましたが、今はこの内容が事実であり不変の真理だと考えています。

さて・・・いい感じにあぶない人だと思われ始めたところで、このまま続けます。

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「アルケミスト」と「すべてはひとつ」

僕はこの言葉を「アルケミスト」という小説で知りました。

世界的なベストセラーであり、僕の座右の書です。過去記事でもご紹介しています。

羊飼いの少年がピラミッドを目指す旅の中で、人生に必要なすべてを学ぶというストーリーで、小説の形をとりながら、自己啓発書的な読まれ方をしています。

「すべてはひとつ」も本書の重要キーワードになっていて、表現を変えながら何度も出てきます。

おまえが誰であろうと、何をしていようと、おまえが何かを本当にやりたいと思う時は、その望みは宇宙の魂から生まれたからなのだ。それが地球におけるおまえの使命なんだよ。(中略)自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。すべてのものは一つなんだよ。おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ。

-角川文庫版(P.28)

きっと言葉によらないことばというものがあるのに違いない、と少年は思った。(中略)もし、僕がこのことばを、言葉を用いずに理解できるようになったら、僕は世界を理解することができるだろう、と少年は思った。(中略)「すべては一つ」と老人は言っていた。

-同(P.53)

この世には、誰もが理解する一つのことばがあるということだった。(中略)それは熱中するということばであり、愛と目的をもってものごとを達成するということばであり、信じていることや、望んでいることを追及するということばでもあった。

-同(P.74)

人生に起こるすべてが前兆なんだよ」とイギリス人は読んでいた雑誌を閉じながら言った。「誰もが理解できたのに、今はもう忘れられてしまった『宇宙のことば』があるんだ。僕はその『宇宙のことば』を探しているんだよ。僕がここにいるのはそのためだ。僕は『宇宙のことば』を知っている人を見つけなければならないんだ。錬金術師をね」

-同(P.83)

少年は、直感とは、魂が急に宇宙の生命の流れに侵入することだと理解し始めた。そこでは、すべての人の歴史がつながっていて、すべてのことがわかってしまう。そこにすべてが書かれているからだ

-同(P.88)

私たちは持っているもの、それが命であれ、所有物であれ、土地であれ、それを失うことを恐れています。しかし、自分の人生の物語と世界の歴史が、同じ者の手によって書かれていると知った時、そんな恐れは消えてしまうのです。

-同(P.91)

すべての本を通してくり返されている一つの考えがあった。それは、すべてのものはただ一つのものがさまざまに現れたものにすぎないということだった。ある本の中で少年は、錬金術の最も重要な文献はほんの数行から成るもので、それはエメラルドの表面に書かれているということを知った。(中略)

「ではなぜ、こんなにたくさんの本が必要なのですか?」と少年がたずねた。

「その二、三行を理解するためだよ」

-同(P.94)

地球上のすべてのことは、すべてのものの歴史を表すことができると、彼は知っていた。本のページのどこを開けても、人の手のひらを見ても、一枚のカードをあけても、鳥の飛ぶのを見ても・・・そこで観察されたものが何であろうと、人はその瞬間、自分の体験しているものとの関連を見つけることができる

-同(P.120)

「僕は自分の中に、風も砂漠も、海も星も、宇宙にあるすべてのものを持っています。僕たちはみな、同じ手によって作られ、同じ魂を持っています

-同(P.174)

一部といいつつ、だいぶ引用しちゃいました。

でもどうでしょう。だいぶニュアンスは伝わりましたでしょうか。

アルケミスト」によれば、「すべてはひとつ」なのは、すべては人知を超えた大きな意志がもともと1つのものとして作ったからであり、いま目に見えるすべてのものはその1つのものがいろいろな形をとって現われたからだ、としています。

また、人の心の中というミクロな世界と、宇宙のルールみたいなマクロな世界が繋がっていて、ある人が本当にやりたいこと(夢)を追及することは、同時にこの地球や宇宙におけるその人が果たすべき使命(運命・宿命)でもあるからだ、とも書いてあります。

タイトルの「アルケミスト」は「錬金術師」という意味です。

この本では「錬金術」は、「すべてはひとつ」を理解し、自分を何者にも変えることができるようになる能力のことで、物語のクライマックスでは少年は自らを風に変える奇跡を起こします。

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様々な「すべてはひとつ」

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「すべてはひとつ」の考え方はいたるところで出会うことができます。

例えば、ベストセラー「嫌われる勇気」で注目されるようになった「アドラー心理学」では、「共同体感覚」というキーワードで同じような考え方が登場します。

アドラーは自ら述べる共同体について、家庭や学校、職場、地域社会だけでなく、たとえば国家や人類などを包括したすべてであり、時間軸においては過去から未来までも含まれるし、さらには動植物や無生物までも含まれる、としています。(中略)つまり、われわれが「共同体」という言葉に接したときに想像するような既存の枠組みではなく、過去から未来、そして宇宙全体までも含んだ、文字通りの「すべて」が共同体なのだと提唱しているのです。

‐「嫌われる勇気」(対人関係のゴールは「共同体感覚」)より

どうでしょうか。かなり似通ったことを言っていると思います。

また、古代インド哲学のウパニシャッド(奥義書)の中心概念には「梵我一如」というものがあります。

梵我一如(ぼんがいちにょ)とは、梵(ブラフマン:宇宙を支配する原理)我(アートマン:個人を支配する原理)が同一であること、または、これらが同一であることを知ることにより、永遠の至福に到達しようとする思想。(中略)

仏教では、梵(ブラフマン)が人格をともなって梵天として登場するが、本来のインド思想にあっては、自然そのもの、あるいは遍在する原理、または真理を指していた。一方、我(アートマン)とは、身体の中にあって、他人と区別しうる不変の実体(魂のようなもの)として考えられ、「真我」と漢訳される。(中略)

この個人の実体としての我が、宇宙に遍在する梵と同一であることを悟ることによって、自由になり、あらゆる苦しみから逃れることができるとする。

Wikipediaより

さらに続ければ、大ヒット漫画「鋼の錬金術師」では、「一は全、全は一」という表現が登場する回があります。

「アルケミスト」同様、錬金術と関連づけて語られている点も偶然とは思えないものがあります。

さらにさらに、ビジネス書のロングセラー「学習する組織」に出てくる「システム思考」では、バラバラに見える1つ1つがお互いに影響し合う変数として繋がり、「分かたれることのない全体」を理解する重要性を説いていたりします。

(分けることができない全体。個人的にはこの表現が好きでして、記事タイトルにも採用しました)

どれも「すべてはひとつ」を違う言葉で表現しているだけだと思っています。

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「すべてはひとつ」をシンプルに説明するたった1つの言葉

長々と説明してしまいましたが、これが「すべてはひとつ」です。

しかも長々と説明してきても、結局何なのかはハッキリとはわからない。

これまで出てきたキーワードで整理すると、「すべてはひとつ」は「ことば」であり「ルール」であり「システム」ということになります。

ベストセラー「7つの習慣」では「原則」とか「法則」といった表現で説明されています。

人格主義は、私たちの人生を支配する原則が存在するという基本的な概念に基づいている。つまり、万有引力といった法則が自然界に存在しているのと同じように、人間の生活にも自然の法則があるということだ。それは地球上どこでも普遍であり、時間を超えて不変であり、つまりそれは絶対的なものである。

-「7つの習慣」P.29

物質界に目を向ければ「すべて」とは最も大きいものなので「全宇宙」を指し、「ひとつ」とは最も小さいものを指すとすれば分子・原子よりもさらに小さい「素粒子」のことになります。

「全宇宙」から「素粒子」1つにいたるまでの、2つの極限をつらぬく「究極の法則」がある。

その考え方が「すべてはひとつ」なんだと思います。

こうして考えるとなんだか壮大な気持ちになり、日ごろあくせくしていることや悩んでいることが小さなことだなと思えてきます。

何かの本で読みましたが、宇宙飛行士が宇宙空間から見た地球に国境って存在しないんですよね。

そこにはただ青い美しい星、地球があるだけで。

それなのに、地上では世界に多くの「国」があって「国境」があり、その間で「友好」や「紛争」があり、「戦争」や「平和」があります。

人間が便宜上決めただけのことで、実際には「国」も「国境」も自然界としては存在せず、「戦争」も「平和」もなく、「すべてはひとつ」なわけです。

ジョンレノン的ですが。

誰かと同じ花を見て美しいと思うとき、その人との間で「気持ちが1つになってつながった感覚」を持つと思います。

好きな本の一行、好きな歌の歌詞、好きな映画のセリフ、好きな人から言われたこと、そういったことが「1つに繋がってるな」と感じられることもあります。

そんな誰もが心の中に感じたことがある「何か広いものに触れたときの気持ち」。

「すべてはひとつ」という言葉を一番シンプルに表現するとそれは「愛」なのかもしれません。

・・・とキレイにまとめてみましたが、やっぱりちゃんと説明できた気がしないので、また書き直すと思いますが、とりいそぎ今日はここまでということで。

 

それでは、また。

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関連リンク ※いろいろな人が「すべてはひとつ」をもっと上手にまとめてくれていますw

 

 

コメント

  1. みや より:

    モハメドアリのme.weと同じ考えですね

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