組織開発は「綱引き」だ(プロセス・ロスとプロセス・ゲイン)

組織開発
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「組織開発」とは何か

今年の春から「組織開発」を仕事にし始めまして、はや半年になります。

はや半年になるのですが、いまだに「組織開発とは何か」を適切に人に説明できていない気がします。

組織を元気にすること?

組織を活性化すること?

組織課題を解決すること?

組織の機会を最大化すること?

組織力を最大化すること?

組織のメンバーの関係を良くして、共通の目的に向かえるようにすること?

組織の健全性と効果性、自己革新性を引き上げること?

組織の自律を支援すること?

色々な表現があり、どれも説明としては正しいんですが、やっぱりお伝え仕切れていない感じがします。

そこで、最近は「組織開発とは何か」という問いそのものが良くないのかなと思い始めました。

「何か」を問うのでなく、「『なぜ』組織開発が必要なのか」を問うべきなのかなと。

なぜ組織開発が必要なのか。

この問いには「綱引き」の例えでシンプルに答えることができます。

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組織開発とは「綱引き」のお手伝い

なぜ組織開発が必要なのか。

それは組織とは「綱引き」であり、組織がうまく綱を引くためには「お手伝い」が必要な場合が多いから。

個人的には、この説明がもっともシンプルでわかりやすい組織開発の説明となります。

もう少し具体的に説明しましょう。

組織とは「2人以上の共通の目的をもった集団」のことです。

この定義に当てはめれば、2人であろうと、10人、100人、1000人であろうと、会社組織であろうと、プロジェクトであろうと、家族であろうと、それは組織です。

組織が作られる理由は、1人でやるよりも10人、100人、1000人でやる方が成果が出しやすい活動をするためです。

同じ目的に対して複数人数で力を合わせて取り組む様子から組織活動はよく「綱引き」に例えられます。

綱引きは、1人でやるよりも、10人、100人で綱を引く方が圧倒的に力を出せます。

10人のチームならば、10人全員で綱引きをするように力を合わせて仕事ができている状態を目指します。

10人全員で1つの綱を、息をぴったり合わせて、同じ方向に、同じタイミングで引いている状態。

これが組織の理想的な状態ですし、この状態を作るためにこの10人はチームになったと言えます。

ところが、この状態が作れないチームが存在します。

息が合っていない、綱を引く方向が違う、綱を引くタイミングが違う。

そもそも同じ綱を引いていない、なんて場合もあります。

冗談みたいですが、実際にそういう組織は意外と多く存在しますし、自分自身そういう組織に身を置いたことは何度もあります。

全員で綱引きをできているかどうかを観察する。

できていない場合、どうしたら全員で綱引きできるかを考えて手を打つ。

これが組織開発のイメージです。

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「プロセス・ロス」と「プロセス・ゲイン」

組織が全員で綱引きできていない状態というのはよくあることですが、この状態というのは人数が多くなればなるほどその度合いは大きくなります。

例えば1人で綱を引く力を100としましょう。

10人が全員で綱引き出来ていれば1000になるはずですが、そうはならず実際はその2/3程度(700や600)なってしまうものです。

さらに100人になると、本来10000のはずが、場合によっては半分(5000)になってしまうことがあります。

なぜそんなことが起こるのでしょう。

それは、先ほどお話したように、全員の息が合っていない、綱を引く方向やタイミングが違う、ということもあるのですが、一番大きな理由は「社会的手抜き」と言われる状況が発生するからです。

集団で共同作業をする場合、人数が多くなればなるほど一人あたりの責任感が弱まり、それが実行力にも影響するのです。

こうした現象を専門用語で「プロセス・ロス」と言います。

ここでいう「プロセス」は、一般的な意味での「経過」「過程」という意味だけでなく、「目に見えづらい関係性や感情」といった意味でも使われています。

つまり「自分一人が少しサボっても大きな影響はないだろう」という感情(プロセス)によって起こる損失(ロス)が組織力に影響するということです。

これはおそらく誰もが経験があることではないでしょうか。僕もあります。

誰もが経験があるということは、いつでもどんな組織でもこの「プロセス・ロス」は常に起こり続けているとも言えます。

これを解決する活動が「組織開発」です。

そして「組織開発」が順調に推進できると、逆の状態、つまり全員の力の合計以上の力を組織が発揮できる状態が生み出されます。

構成しているメンバー同士がお互いに良い影響を与え合って、相乗効果を発揮することで、10人×100=1500みたいになる状態ですね。

これを「プロセス・ゲイン」といいます。この状態まで持っていくことが組織開発の目指すべき理想ですね。

 

いずれにしても、組織開発とは「全員で綱引きしている状態」を作り出すお手伝いだと僕は思っています。

そして、全員で綱引きできていない組織に自分が関わらせてもらえる限り、自分の仕事に終わりはないんだ!・・なんて勝手に鼻息を荒くしています。

 

それでは、また。

 

※「組織開発」「プロセス・ゲイン」「プロセス・ロス」について詳しく乗っています。

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