【アドラー心理学とは】「課題の分離」で人間関係の9割はうまくいく

アドラー心理学
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話題のアドラー心理学ですが、この記事ではその中心となる考え方の1つ「課題の分離」についてご紹介します。

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信念がある人は「課題の分離」をしている

元プロ野球選手・松井秀喜さんは著書「信念を貫く」で、こんなことを書いています。

自分がコントロールできることとできないことを分けて考えなければならない。

コントロールできることについては、結果につなげるべく努力をする。

コントロールできないことには関心を持たず囚われない。

思うようにヒットを打てないとき、マスコミは決まって騒ぎ立てます。

そんなとき、松井さんは周囲の雑音という「コントロールできないこと」には囚われず、練習をして次の打席で打つための努力をする、という「コントロールできること」に集中していたそうです。

また、同じような内容を、アメリカの神学者ラインホルド・ニーバーが作者だと言われている、こんな名言にも見ることができます。

神よ。
変えられるものは変える勇気を。
変えられぬものは受け入れる冷静さを。
そして、それを見分ける知恵を、授けたまえ。

世界的なベストセラー「7つの習慣」など本やブログなどでもよく引用されています。

また、もう一つ、同じような意味をもつ名言があります。

他人と過去は、変えられない。自分と未来は、変えられる。

こちらはカナダの精神科医エリック・バーンの言葉です。

とても共感できる考え方ですが、どの言葉も面白いくらい同じことを言っていると思いませんか。

そう、これらの言葉が共通して意味しているもの。

これこそが、話題のアドラー心理学課題の分離」という考え方になります。

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アドラー心理学の「課題の分離」とは

「課題の分離」とは、アドラー心理学の中心となる考え方で「自分の課題と他者の課題を切り分けて考える」というものです。

ベストセラー「嫌われる勇気自己啓発の源流『アドラー』の教えー」では、こんな形で説明されています。

まずは「これは誰の課題なのか?」を考えましょう。そして課題の分離をしましょう。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。

そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。これは具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。

-「嫌われる勇気」より

本そのものの感想は別記事にまとめています。

話題の自己啓発本「嫌われる勇気」を読みました。近年注目を集めている「アドラー心理学」の入門書的内容で、わかりやすさが受けてベストセラーになっています。とても興味深い内容だったので、自分でもいつでも振り返れるように「5分でわかるアドラー心理学

本書では、例えば「勉強をしない子どもとその親」を例にとってこう説いています。

  • 「勉強しない」ことで授業についていけなくなったり、希望の学校に入れなくなるのは「子ども」自身
  • つまり、勉強するかどうかは「子どもの課題」であり、親は介入してはいけない
  • その代わり親は、見守り、それが自分の課題だと伝え、必要なときには支援できるようにしておく

同じように、対人関係全般についてもこんなことが書かれています。

  • 自分の人生をどう生きるか、どう行動を起こすかは「自分の課題」である
  • それを他の人がどう思うか、どう評価するかは「他者の課題」である
  • 承認欲求を捨てて、嫌われることを恐れないことで、人は自由になれる

※ここが「嫌われる勇気」というタイトルの理由ですね。

【アドラー心理学】「嫌われる勇気」というタイトルにした理由は?
先日「嫌われる勇気」を読みました。5分でわかる「アドラー心理学」 -「嫌われる勇気」要約と感想アドラー心理学の大筋が理解できる良書でした。いったん要約としてまとめてみたものの、タイトルにもある「嫌われる」の意味について、もう少し整理してみよ

わざわざ嫌われる必要はないけれど、嫌われることを恐れてはいけないということ。嫌われても構わないと思いながら、自分の人生に集中すること。それが重要だということです。

「他者の課題を切り捨てる」「嫌われても構わない」という表現だけ見てしまうと「冷淡だ」「投げやりだ」と誤解されそうですね。

でも実際は「課題の分離」をした方が適切に人間関係を築くことができますし、真に相手を思いやり、信頼するコミュニケーションになるのです。

お互い「課題の分離」をする。それぞれが自らの課題にきちんと立ち向かう。

これができさえすれば、会社であろうと家庭であろうと、人間関係で起こる問題の9割は解決すると思います。

その意味で「人間関係」とは、実は「自分と他者との問題」ではなくて、「自分自身の問題」なんだということがわかってきますね。

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さあ「課題の分離」をはじめよう

そんなわけで僕も「課題の分離」を始めました。

僕の場合は人に嫌われるのが苦手で、嫌われないように嫌われないようにと行動してしまうところがあったので、それを意志をもって矯正してみていることにしたのです。

年明けくらいから「これは自分の課題なのか?」「人の課題に踏み込んでいないか?」「自分の課題に集中できているか?」を自問自答するようにしました。

そして整理できた「課題の分離」はこんな感じです。

僕の「自分の課題」はこれ!

  • 1人の人間として、人生を楽しく自分らしく生きていく
  • 夫として、父として、家族を幸せにする
  • 1ビジネスマンとして、研鑽をつみ自分のプロフェッショナリズムを高める
  • 1社員として、自分の強みを発揮して組織に貢献する
  • プロジェクトの責任者として、プロジェクトを健全に運営し、数値達成に貢献する

これが「自分の課題」なので、ここに集中します。

「他者の課題」はこれ!

  • 他の人が僕をどう評価するか
  • 他の人が僕を好きになるかどうか
  • 他の人が僕を信頼してくれるかどうか
  • 他の人が僕に何を言ってくるか、何をしてくるか
  • 他の人が何をどう判断し、どう行動し、どう生きていくか

これが「他者の課題」なので、ここはバッサリ切り捨てます。

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まとめ

「他者の課題」は切り捨てて、「自分の課題」に集中する。頭ではわかっていたのですが、実際には出来ていませんでした。

「課題の分離」を行動に移すことで得られるメリットはとても多いと考えています。

  • 正しく「孤独」になれる
  • 正しく「判断」できる
  • 正しく「仕事に打ち込む」ことができる
  • 正しく「人に感謝」できる
  • 正しく「人を信頼」することができる
  • 正しく「自信」がもてる

ざっとこんな感じでしょうか。

人間は弱いものなので、いくら思い立ってもすぐ忘れてしまったり、「他者の課題」を抱え込んでしまったり、「自分の課題」を人に押し付けたりしそうになると思います。

そのため日々「自分はいま課題を分離できているか?」を自問自答することが重要です。

そして、できていないときはまた「正しい分離」「他者の課題の切り捨て」「自分の課題に集中」をする。そして、それを繰り返すことが重要だと思います。

さあ、皆さんも「課題の分離」始めてみませんか。

 

それでは、また。

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コメント

  1. […] またひとつ、 心が軽やかになりました。 【アドラー心理学とは】「課題の分離」で人間関係の9割はうまくいく  […]

  2. […] 【会社も家庭も】「課題の分離」で人間関係の9割はうまくいく […]

  3. […] 引用:【アドラー心理学とは】「課題の分離」で人間関係の9割はうまくいく […]

  4. 田中 より:

    こっきさん

    田中と申します。
    記事の内容、勉強になります。

    一点、ちょっとひかかったところがありコメントさせていただきます。

    >夫として、父として、家族を幸せにする
    上記は、他人の課題ではないですか?

    • こっき より:

      田中様、コメントありがとうございます!ご質問いただいた点について考えてみました。

      なるほど、たしかに他者が幸せかどうかは自分の課題ではないと思います。ただ、自分が他者を幸せにしようと思うかどうかは自分の課題なのではないかと思います。
      つまり奥さんや子どもたちが最終的に幸せになるかどうかは、奥さんや子どもの課題なのですが、自分が夫として、父として、彼らを幸せにしたいという思いは自分の課題ととられていいのではないかと思いました。
      たとえそれが独りよがりであろうと、自分がそうしようと決めていることなので。

      アドラー心理学の理解として正しいかどうかはわかりませんが、いただいた問いをきっかけに、個人的にはそんな整理をしてみました。
      良い気づきとなりました。あらためましてコメントありがとうございました。

  5. […] 読みながら何度も彷彿とさせられたのが、アドラー心理学。 引用の部分なんかは、まさに「課題の分離」の考え方じゃないかな。 『親子の手帖』を読んだ後に、アドラー2部作『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』を再読したのだけれど、めっちゃ刺さる上に、いままでとは違う部分が心に響いて面白かったです。 「課題の分離」はアドラー心理学の中心となる考え方で、「自分の課題と他者の課題を切り分けて考える」というものです。 この記事がとてもわかりやすい。 【アドラー心理学とは】「課題の分離」で人間関係の9割はうまくいく […]

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