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【書評】「人は、誰もが『多重人格』 誰も語らなかった『才能開花の技法』」

   

「人は、誰もが『多重人格』 誰も語らなかった『才能開花の技法』」(光文社新書・田坂広志)を読んだ。

1人の人の中にはそもそも複数の人格が備わっていて、それを使い分けることで自分のポテンシャルが最大限に引き出される、という内容だ。

一流のミュージシャンやアスリート、経営者たちはすべからくこの「人格の使い分け」を行っている。いわゆる「器が大きい」という表現には「複数の人格を同居させ、意思をもって使い分けられる」という含意があり、「才能」とは「人格」のことだという。

常に複数人格を俯瞰している自分がいて、それを意志をもって使い分けることができるという意味において、いわゆる「精神の病」としての「多重人格」とは異なるものとして定義されている。

この本を読んで思ったことは以下3点だ。

一点目は、本書でいう「人格」は心理学的にいうところの「ペルソナ(仮面)」の話をしているということ。「7つの習慣」における「人格主義」の「人格」のように「その人の根本的なあり方」といった意味ではないと感じた。

二点目は、「メタ認知能力」の話をしているということ。「今この瞬間に行動・発言している自分」を一歩引いて俯瞰している自分がいて初めて可能な自己理解、自己コントロールの話だと理解した。

三点目は、「矛盾の止揚(統合)」の話でもあると受け止めた。人は仕事で、プライベートでより大きな責任を引き受ける度に、判断すべき対象や自分自身の中に矛盾を抱え込むことになる。その矛盾を乗り越えるときにメリデメを考えたり、優先順位をつけたりして、どちらか一方を選んでいるようではまだ未熟で、矛盾する2つの事象を止揚(高度に統合)し、新しい解決策を見つける技量が求められる。その時にこの「人格の使い分け」という考え方は極めて有効だと思った。

いずれにせよ、「多重人格」という刺激的なキーワードをもって、「ペルソナ」「メタ認知能力」「矛盾の止揚」といった興味深いテーマを分かりやすく表現した本書はとても興味深く、一読の価値があると考える。

それでは、また。

 

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