「教育研修ファシリテーター」を読んだ
組織開発を担当するチームに異動して、すぐに上司に「読め」と言われた本です。
社内研修を企画・運営することが多いチームなので、その基礎的な知識を頭に入れておくように、という意味で薦められたのです。
内容も実践的でとても面白い本ですが、僕はこの本の冒頭にある1枚の図を見て、雷に打たれたような気持になったので、今日はそのご紹介です。
「組織開発」のアプローチ、「人材開発」のアプローチ
それがこの図です。
(本書P.20より)
「人材開発」と「組織開発」のアプローチの違いを2枚の絵にして対比した図なのですが、これがとてもわかりやすかったのです。
「人材開発」とは「組織」を「人の集まり」としてとらえて、「人」に焦点を当てて働きかけを行っていくアプローチであり、「組織開発」とは「組織」を「関係性の集まり」としてとらえて、「人と人との関係性」に焦点を当てて働きかけを行っていくアプローチであることを、分かりやすく表現していました。
この図自体は本書の中で本題に入る前の心構えの説明として、研修という場を人を育てるだけでなく、人と人との間の関係性も育てる場にするように、という意味で使われていたのですが、個人的には、これまで見たどんな説明よりも、この2つの手法の違いをよく表せている素晴らしい図だとと思っています。
「組織開発」と「人材開発」は同じコインの裏表
人と組織に働きかける仕事をしていると、「これは組織開発なのか、人材開発なのか」と一瞬考えてしまうことがありますが、本書にも書いてある通り、その2つは同じコインの裏表ということですね。
そう考えると、どちらかだけに特化して起こっている状態や課題を見ていると何かを見落とすことになるのかもしれません。
人に焦点をあてるとどう見えて、人と人との間に焦点をあてるとどう見えるのか。
常にこの2つの視点をもってのぞむことが、人材開発にも組織開発にも求められるのかもしれません。
それでは、また。
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