前職の課長の話
僕が大阪支店の営業マンだったときに赴任してきた人の話。
見た目はずんぐりむっくりしていてドラえもんみたいな感じで、でも顔はおかっぱ黒メガネで全然ドラえもんじゃなくて年齢の割には若く見えるタイプの人だった。
その人は「総括」という課長一歩手前のポジションで、たいていそのままその課の課長に昇進するのが通例だったので、その人もその前提で赴任してきたのだった。
正直、僕はその人のことがそんなに好きじゃなかった。
いろいろ細かいのだ。立場上そういうポジションだったこともあるが、営業上の経費の使い方も、日々の細かい所作についても、なんだかあれこれお小言が多い。
ド営業部署だったこともあり、それまでの課長、総括が皆、豪放磊落、男気溢れるタイプだったため、「なんだか今度は勝手が違う人が来たな」という気持ちでいた。
やがて予定調和的に課長になった彼は、やっぱりその細かいお小言キャラのまま、マネジメントを始めたのだった。
※関係ないけど「予定調和」って調べてみると、ライプニッツという哲学者が考えた概念で「世の中で起こる事象は一見バラバラに見えても、実は神によって創造された世界の秩序の中にある」みたいな意味のよう。好きそうなテーマだからもっと勉強してみよう。
そんな人だったけれど、1つ尊敬すべきところがあって、出社は常に部署で一番早かった。普通は上司にそんなことをされたら部下は窮屈でたまらないけれど、その人はそういうことを人に押し付けたりしないタイプだったので、部署の皆も特に気にならなくなった。
なぜそんなに朝が早いのか気になったので、営業同行時に聞いてみると「朝早くに起きて勉強してるんだよ」とのことだった。確かにいろいろな本を読んでいたり、知識豊富な人だったので、「そんな努力をしているんだ」と感心したのだった。
それからもその人のことはマネージャーとしてすごい好きなタイプにはならなかったけれど、「朝早くに起きて勉強をしている」という一点で尊敬した。(思えばいま早起きに取り組んでいるのも心のどこかで彼のことを意識してのことなのかも)
・・というエントリーでも書いたように、「いまこの瞬間何点か」で人を評価せず、「これから生きているうちに何点になろうと思っているか」で評価すべきだと常々思っているので、その観点からすると彼は素晴らしい意識の持ち主だったと思う。
転職した後も、元同僚からいろいろと情報を教えてもらっているが、その人は僕が辞めてしばらくすると部長に昇進したとのことだった。なんだか納得がいった。
成長意識の高い人は、自分なりの戦い方を見つけるものだけれど、彼も歴代マネージャーの中では異例のタイプだったけれど、自分の強みを理解してそれを発揮したんだろうと思った。
今日のジブンハック!
- ふと思い立って身近な偉人を取り上げるシリーズを立ち上げてみた。(なぜ一人目にこの人を選んだのか、自分でも分からないけどw)
- 身近な人にも偉大な人がいっぱいいる。その人から学ぶべきこともたくさんある。
- いつかこのシリーズに書こうと思いながら接すると、もっと人の良い面が見られる気がする。
それでは、また。
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