【要約】「働くひとのためのキャリア・デザイン」(金井壽宏・PHP新書)

キャリア
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※この記事は検討中のメモ段階です。

 

「キャリアって何だろう」

「どうやったら自分のキャリアって作っていけるんだろう」

と、考え始めた人に手にとって頂きたい本のご紹介です。

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「働くひとのためのキャリア・デザイン」とは

「働くひとのためのキャリア・デザイン」を読みました。

「キャリア論の超ロングセラー」という触れ込み通り、2002年の刊行以来、支持され続けている名著です。

本書は「キャリア」と「キャリア・デザイン」にまつわる入門書となっていて、自分のキャリアプランニングや人材育成について基本的な考え方が学べます。

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要約

本書では、一般的に「キャリア」とは以下4つの意味を含むと解説されています。

  • 1.階層のなかでの昇進(えらくなっていくこと)
  • 2.定型化された地位の経路(医師や弁護士などステップが決まっている仕事)
  • 3.職務の生涯にわたる連続(全仕事生活を通じて着いた職位)
  • 4.役割に関連した諸経験の生涯にわたる連続(全仕事生活を通した経験)

本書がとる立場は上記4つのいずれでもなく、キャリアとは「長い目で見た仕事生活における諸経験、節目における選択とその意味づけ、将来展望のパターン」というもので、とくにアップ・ダウンするものでもなく、成功も失敗もないとのことです。

またその観点でいえば、キャリアとは誰にとっても関係があることで、立場や年齢に関わらず、生涯にわたってデザインしていくものであるといえそうです。

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「キャリア・デザイン」におけるヒント

キャリアをデザインするうえで、本書では多くの興味深いヒントが提示されますが、ここでは「ゴール設定」「現在地把握」に分けて整理したいと思います。

キャリア・デザインにおける「ゴール設定」のヒント

キャリア論の研究者エドガー・シャインは以下3つの問いに答えることで、自分のキャリアのゴールがどこにあるのかを知ることができるということです。

シャインの3つの問い

  • ① 自分はなにが得意か。(ノウハウ)
  • ② 自分はいったいなにがやりたいのか。(ノウホワイ)
  • ③ なにをしている自分なら、社会に役立っていると実感できるか。(ノウフーム)

この3つがバランスよく実現している状態、それがキャリア・デザインの理想的な状態だといえますし、いわばそれが自分のキャリアのゴールと言ってよいと思います。

また、この問いに答えるためには、過去の自分をふり返り、経験や感じたことを思い起こすとともに、将来のよりよい自分の姿を思い描く必要があり、つまるところキャリアとは自分自身を知り尽くすことに他ならないことがわかります。

キャリア・デザインにおける「現在地把握」のヒント

ゴールを思い描いたうえで、「いまどこにいるのか」も考える必要があります。そのためのヒントは以下のような点が提示されます。

  • 人生の中でのポジショニング(午前・正午・午後)
  • 会社や担当商品・サービスのポジショニング(成長・成熟・衰退)
  • トランジション・サイクル・モデル(準備・遭遇・順応・安定化)※
  • ライフステージ(20代・30代・40代・50代・60代、ヤング・ミドル・シニア)

※トランジション・サイクル・モデルが好循環しているか悪循環になっているかも知る必要がある

ゴールを思い描き、いまどこにいるのかを知ることができれば、自然に取り組むべきことが見えてきそうです。どちらも自分で棚卸ししてみるだけでなく、一緒に働く仲間と話し合ってみたいテーマです。

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キャリア・デザインにおける「心がけ」

自分や人のキャリアを考えるうえで、忘れずにぜひ心がけたいヒントも数多く紹介されていましたが中でも「デザイン」と「ドリフト」、「危機」と「機会」にの関係性ついてはとても参考になりました。

  • キャリアは節目だけはデザイン(設計)し、節目以外ではむしろドリフト(流される)し、その適切なバランスの中でつくっていく
  • 節目はなんらかの「危機」で意識される、「このままでいいのか」という焦燥感、キャリアのどん詰まり感覚など
  • 節目の「危機」は「危」険と「機」会がどちらも含まれていて、いかに機会に転じられるかが1つのターニングポイントになる

振り返れば、自分も何かしらの焦燥感で節目を感じてきました。そのつど、自然と内省し、自分なりに答えをだし、道を選択してきて今があると実感します。

本書を読んだことで、今後節目に差し掛かったときに「今がその時だ」と早めに察知したり、その時期にあわてることなく対処することができるようになります。

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「男性ミドル」の僕が取り組みたい4つの課題

本書にはその他にもたくさんのヒント詰まっていましたが、個人的に「男性ミドル層が折り合いをつけていくべき4つの課題」が一番興味深かったです。

40~45歳という中年への過渡期には、それまでに重視してきた価値観とこれから重視すべき価値観の対立構造、具体的には「若さと老い」「男らしさと女らしさ」「破壊と創造」「愛着と分離」という4つの対立項を統合していく働き方が求められるということです。

僕はいま39歳なので、まさにこの時期に差しかかってきたわけですが、実際にこの4つの矛盾の狭間で思い悩むことも増えてきました。

でもこうして「そういう時期なんだ」と知ることで少しホッとするとともに、矛盾を抱えているだけでは混乱して停滞してしまうだけですので、この矛盾を、統合してより高いレベルに昇華(止揚)することで、次への機会としたいと思っています。

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「キャリア」は仕事を楽しむためにデザインするもの

「いま仕事が楽しいですか?」と問われたときにいつもで「楽しい」と答えられるように、自由自在に選択・設計するものが「キャリア」なのかもしれません。

人生とは楽しむものであり、仕事生活もまた同様です。そして楽しめるように、自分にとって最適な仕事との関係性を自ら選ぶということが重要だと思います。

「キャリア」や「キャリア・デザイン」というものは、そこまで意味を広げたときにしか見えてこないテーマであって、今後自分のチームメンバーのキャリア自律を支援していくなかで、ぜひ大切にしていきたい視点であると思いました。

 

それでは、また。

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