「職場の問題地図」を読んだ
「職場の問題地図 ~『で、どこから変える?』残業だらけ・休めない働き方」を読みました。
職場(つまり会社の組織)で起こりがちな問題を、文字通り地図のようにわかりやすくナビゲートした一冊。
組織開発に取り組み始めた僕にとって、とても面白く、ためになる本でしたので、本書のすごいポイントをまとめてみました。
「職場の問題地図」のここがすごい
「職場あるある」がいい感じに網羅されている
本書の冒頭に「職場の問題地図 全体マップ」という、蛇腹に折りたたまれた特別ページに、職場課題の相関図が入っています。
「だれが何をやっているのかわからない」「上司・部下の意識がズレてる」など実際に起こりがちな問題を一通り網羅していることがわかります。
原因をきちんと因数分解してくれている
本書はそんな「あるある」をただ並べるのではなく、なぜその課題が起こったのかの原因をきちんと因数分解しています。
例えば「無駄な会議が多い」という課題は「対面至上主義の上司」「時間は無限だという幻想」「会議のやり方を知らない」など複数の原因で発生していると説明されています。
ちゃんと解決策まで示してくれる
原因を分解してくれるだけでなく「結局どうすればいいのか」という読者の疑問にもきちんと解決策を提示してくれます。
例えば先ほどの「無駄な会議が多い」の解決策としては「目的を確認する」「参加者を慎重に選ぶ」などが提示されるだけでなく、会議設定時にそれを確認するフローを用意することなどが説明されています。
目からウロコの切り口が満載
あるあるな課題に解決策が提示されるだけでなく、本書ならではの切り口が随所に盛り込まれている点が面白いです。
例えば「属人化」(ある業務が特定の人にしか対応できない状態になること)を取り上げた項目では「属人化は自然現象と同じで完全になくすことはできない。だからうまく付き合おう」と説明されます。
これはまさに目からウロコでした。とても現実的な考え方で、提案される解決策への信頼度もアップします。
かわいいイラストと軽妙な語り口でパッケージ
そして何と言っても本書最大の魅力は全編にわたって親しみやすいイラスト・図と、軽妙で読みやすい文章でパッケージングされているところにあります。
とても読みやすく、わかりやすく、ビジネス書に慣れていない層の人でも、最後まで興味深く通読することができるようになっています。
組織活性・組織開発のエントリー的良書です
「職場課題とその解決」は仕事をしているほぼ全ての人にとって身近なテーマですが、なかなかわかりやすい本ってないですよね。
その点、本書は読者にとってうれしい工夫がこらされていて、とても読みやすいです。著者の「伝えたい」という思いが感じられますね。
組織活性・組織開発に取り組むマネージャーや、管理部門の人にとってエントリー的な位置付けの良書と言えるのではないでしょうか。
それでは、また。
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