最近、プレゼンテーションスキルの向上を目指して、本で実地で勉強中です。
これまで自分自身が学んだプレゼンテーションのコツを自分への備忘の意味も含めて整理してみました。何かのお役にたてばうれしいです。
以下心構え編(2つ)、資料作り編(5つ)、練習編(2つ)の計9つの構成でまとめました。
▽心構え編(2つ)
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1.主役は自分ではなくプレゼン相手
プレゼンの目的は、プレゼンをする相手の気持ちを動かすこと。提案をすることで、案件承認をしてもらったり、商品の価値を認めて購入してもらったり、協力を仰いだりする。
そこで大事になるのが「プレゼンにおける主役は誰なのか」という意識。答えは自分ではなくて、プレゼンをする相手こそが主役なのである。
プレゼンという舞台では、聞き手が提案を受けて何を感じるか(好意や批判)、終了後どんな行動に移るか(承認や否認)が重要であり、プレゼンをする自分は脇役である。この意識がすべての出発点になる。
2.悲観的に用意して、楽観的に待て
準備に時間を避ける間はとにかく「悲観的に」用意することが重要だ。
「まだ足りないものがあるのではないか」
「ここの詰めが甘いのではないか」
「〇〇さんにも相談をしておいた方がいいのではないか」
という感じだ。そうして用意したあとは、最後は「楽観的に」プレゼンの時間を待つことも大事だ。
「これだけ用意したのだから、必ず伝わる」
「プレゼンする時間をとにかく楽しもう」
という感じで。この悲観と楽観のバランスがプレゼンそのもに大きな余裕を生むはずである。
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▽資料作り編(5つ)
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1.軸となるストーリーを決める
まずはおおまかな流れを先に決める。起承転結、導入/本題/まとめ、などのセオリーにしたがって伝えたいストーリーを整理する。その際、「未来と現在の往復」で構成すると上手くいく。具体的には以下のような流れになる。(ここでは社内事業提案のイメージ)
- こんなことが実現したら素敵だと思いませんか?(未来)
- でも現状はそうなっていません。なぜでしょうか。(現在)
- これこれこういう課題があるからです。(現在)
- でもこうしたらこの課題は解決するのではないでしょうか。(未来)
- そこで今回の提案です。(現在と未来をつなぐ内容)
- これが実現すれば冒頭の課題は解決します。(未来)
- 実現に向けたハードルはこれとこれとこれです。(現在)
- でもどれも乗り越えられる内容です。(未来)
- 実現に向けて本件をご承認いただければと思います。(現在)
3.企画書のたたきを作る
大まかなストーリーをとにかくすぐ企画書にする。中身は詰まっていなくても流れがわかるものならばオーケーとします。もしプロジェクトで進めている案件ならば、この段階で大きな認識のズレがないことを確認できるレベルまでは作りたいです。
4.人に提案しながらブラッシュアップしていく
ここからは本格的な資料作りに入りますが、その段階でどんどん人に(プロジェクトの場合はプロジェクト外の人に)提案しつつ相談をしてみます。「まだ早いんじゃないの?だってたたきの状態で見せたくないよ」というご意見もあると思いますが、早い段階で人の意見を取り入れることが結局一番早く資料を仕上げることになります。
あなたが相談したくなるような人は、きっとそれぞれあなた自身よりも得意な領域がある人だと思います(だから相談したくなるのです)。そういう人は相談を受けると、あなたが思いつかないレベルで質問やアドバイスをくれるはずです。そうして頂いた気づきをそのまま資料に落としていく。これが最速でハイレベルな提案書をまとめるコツです。
5.本編とAppendix(追加資料)の構成を決める
ここまでくればだいぶ資料も出来上がってきていると思いますが、仕上げに近いところの大きな作業として「何を本編として話して、何をAppendixに回すか」という判断があります。
この作業は漫然とやらず、戦略的にやるべきです。なぜなら、本編では伝えるべき骨子は伝え切りつつも、どこかにつっこみどころを用意しておき、そこをプレゼン後の質疑応答で質問された時にAppendixに回した資料でバシッと答えると、最初から本編で説明する以上に説得力が増す、という効果があります。
武術でもあえて隙を見せて、そこを攻めさせて、返しの技で決める、というのは常套手段です。それをプレゼンでも行うのです。
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▽練習編(2つ)
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1.資料を作る人と話す人は基本一緒にする
複数人数のプロジェクト形式で企画をプレゼンする場合には、基本的に資料を作った人がプレゼンで話をするべきである。なぜなら、表面上ではわからないその資料独自の「間」のようなものが作成者にしかわからないからである。
例外的に作成者とプレゼンターがバラバラでもいいのは、プレゼンターが優れている場合である。例えばスティーブ・ジョブズや孫正義がそれにあたる。彼らは(当然のことながら)自分では資料を作成しない。が、最高のプレゼンテーションをする。1つは彼らが優れたプレゼンターであるということと、もう1つはそんな彼らであっても入念な事前練習をするからである。
繰り返しになるが、一般人である我々は極力資料を作る人、プレゼンで話す人は同じ人間でいくべきである。
2.与えられた時間内に収める
コンテスト形式で制限時間が決まっているような場合には、絶対に時間に収まるように練習を重ねる。事前に通知している時間内に収まらないプレゼンはそれだけで減点対象とされる場合が多い。逆に時間を余らせすぎてももったいないものである。
実際、今回の僕のプロジェクトのプレゼンは制限時間5分で、5分ぴったりでプレゼンを終えましたが、そのとき審査員の一人が「ぴったりだね」と感心していました。おそらくプラス要素として加味してくれたはずです。
また、日常の提案であっても最初に相手に頂いた時間の中で適切な説明時間を守るようにする(目安として全体の半分まで、残り半分は質疑応答に使う)。「長いな」と思われた時点で、相手はまとまっていないことを暗に察し、プレゼンへの興味が失われるのは確実だからです。
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いかがでしたでしょうか。今後はこういったポイントを押さえながら準備頂くと良いかもしれません。皆でプレゼンマスターを目指しましょう。
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