【映画】「悪の法則」から学ぶ「不条理」という究極の怖さ

映画から学ぶ
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akunohousoku

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軽い気持ちで観たらとんでもない映画だった

マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピッドと超豪華キャスト。監督吏ドリー・スコット。

これだけの触れ込みでも、多少ストーリーがアレでもまあわりと楽しませてくれるんじゃないですか、くらいの気持ちでレンタルして観ました。結果はとんでもないことに。

はじめにこれだけはお伝えしたい。軽い気持ちで観てはいけません。見た目の華やかさから想像されるようなシャレオツサスペンスではなく、待っているのは残酷なまでの現実です。

以下ネタバレ含めた感想です。

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映画「悪の法則」とは

公式ホームページに掲載されているトレーラーがこちら。

「悪の法則」3/5 デジタル先行配信|4/2 ブルーレイ&DVDリリース!

ストーリーは、出来心から麻薬取引に手を出した主人公の敏腕弁護士(マイケル・ファスベンダー)が転落していく話。1回だけのつもりの取引でまさかのトラブル発生。取引相手だった麻薬組織を敵に回すことになります。世界一残虐な相手を前に、弁護士だけでなく、主人公のフィアンセ(ペネロペ・クルス)、取引仲間の実業家(ハビエル・バルデム)、ブローカー(ブラッド・ピッド)らも巻き込まれていきます。

トレーラーにある、

「もう打つ手はない」
「もう手遅れだ」
「引き返せない」

というセリフが、この映画のテーマをよく表しています。

またメイキング的に解説される

「根底にあるテーマは欲望だ」(リドリー・スコット)
「あらゆるシーンが警告を発している。自分の行動はすべて自分に返ってくると」(キャメロン・ディアス)
「見たくないものを、見せつけられる」(ハビエル・バルデム)

あたりも、観終わったあとには「たしかに・・」とうなづけるメッセージです。でもやっぱりここから想像される内容をはるかに上回るとんでもないシロモノなので、警告の意味を果たしていないかもw

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「悪の法則」のネタバレ感想

後半、トラブルが起こって主人公たちが追い詰められ始めるところの緊迫感がヤバいです。

順調に進んでいた麻薬取引の邪魔をしたのは、キャメロン・ディアス演じる実業家の愛人。彼女が運び屋のバイカーを「ある手段」で殺害したあとから事態は一変、銃撃戦を交えながらのブツの争奪戦になります。

「黒幕は誰だ」というキャッチコピーもおそらくキャメロンのことを言っていると思うのですが、正直、本作の本質的なテーマは犯人探しではないので、この表現もなにやらマト外れです。

じゃあ何が本質かといえば、残虐非道な組織の手によって、豪華キャスト陣をはじめ関係者がバタバタと殺されていくその凄惨なサマです。「人の死をなんとも思わない相手を敵に回したときのコワさ」といえばいいでしょうか。

「不条理」という怖さが、一番怖いということを思い知らされました。

そもそも主人公が麻薬取引に手を出した理由や、全編をとおしてくりかえされる思わせぶりで死を匂わせるセリフの数々も唐突感があるものばかりなのですが、そうした「あえての説明不足」な状態の中で、徐々にエスカレートする残虐な殺害シーンは恐怖心が駆り立てられました。

そんな感じで恐ろしい映画でしたが、一番のお気に入りシーンはブラッド・ピット演じるブローカーが主人公と初めて会うシーン。これから起きることを予期させる警告に満ちた重要なシーンでしたが、セリフがカッコよかった。

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「つまらん手違いですべてが吹っ飛ぶ」
「昨年フアレスでは3,000人が殺された。奴らは別の種族だ」
「弁護士さん、もう1つ言っておく。頭の切断などはごく普通のことだ。ただの見せしめ。邪魔者を消すための作業だ」

あたりの忠告系のセリフはブラピのロクデナシっぽいビジュアルから発せられると、いい感じにキマってました。

あと、乾杯するときのかけ声。

「アホどものクソだらけのケツに」

もう最高にカッコよかった!僕の日常では使いづらいことこの上ないけど。

しかし、それだけ人に忠告していたブラピも最後は「ボリート」であんなことに・・。映画ってときに忘れられないワンシーンがあるものですが、これもその1つになりそうです。どちらかというと忘れたいけど。

観終わったときの後味の悪さは最強。この感じは「ノー・カントリー」のときと同じ。いやーな気持ちなのに観たこと自体は後悔していない、好き嫌いは別にしてすごいもん観ちゃったな的な作品でございました。

 

それでは、また。

 

特典付きブルーレイが出ています。

こちらはDVD版。

原作本も出ています。というより映画の脚本+補足内容という感じみたいですね。宝石商やブラピ演じるブローカー役の名セリフも収められているようなので買いかもしれません。

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