先日、会社の勉強会で「集団力学への対応力」について学びました。
「集団力学(グループ・ダイナミックス)」とは、人間が集団になった時に個々人がそれぞれの行動をするだけでなく、集団ゆえに生まれる動力に従って行動することを言う。
仕事においては特に会議にその影響が強く表れる。1つの会議には様々な個性、立場、能力、議題に対する関心度の高さの人が集まる中で、いかに集団力学をクリエイティブな状態に保てばいいのか?
クリエイティブな会議を実現するためのポイント
- 自由に発言できる雰囲気作り
- 前向きな意見交換が継続されるためのファシリテーション
- 単なる反論ではなく建設的な批判への心がけ
一方で、クリエイティブを阻害する態度
- 二分法で決めつける(白黒、善悪、YES-NO)
- パワープレイで乗り切ろうとする(上下関係、常識)
- 逃げる、切れる、すねる →Assertive
その態度が招く結果
- 情報バイアス(全部の情報が見れていない状態)
- 集団極性化(平均より極端に振れた判断に触れた状態)
- 集団的浅慮(個人で出す結論より不合理、不充分な結論にいたる状態)
そうした集団力学の中で、クリエイティブが阻害されず、結論の妥当性を上げるために必要とされている手法が、今回紹介された「Devil’s Advocate(悪魔の代弁者)」だ。
Devil’s Advocate(悪魔の代弁者)
同調圧力がかかりやすい環境において、意図的に反論を投げかけ議論の質を担保する役割のこと。必要になる行動は以下の3つ。
- まずは話している人の意見を正確に理解する
- 人ではなく意見を批判する
- 安易にまとめず、さらに批判できることがないか考え続ける
うーん、なかなか大変な役回りです。また、具体的にこの役割を担うときのマニュアルも教わりました。
悪魔の代弁者マニュアル
1.相手に2つの重要な質問を心がける
- 相手の使用する言葉の定義を尋ねる
- 根拠が3つあるか問う、内容が十分かも問う
2.相手からたとえ話が出たら要注意
- 例えが飛躍しすぎていればそこを指摘する
- 一見似ているが実は適切でない例えであればそこを指摘する
3.話の裏側に隠された前提を探る
- 出てきた意見の裏側にある先入観を探る
- 権威への依存(社長も言っている)や通説(~と世の中的にも言われている)からくる話でないかを探る
4.論証形式を分析し、成立しているかを見る
- A=B、AだからB
- A=B、AじゃないゆえにBじゃない
- Aではないと仮定したら矛盾が生じた。だからA。
いかがでしたでしょうか。非常に強力な方法ではありますが、セミナー主催者の上司曰く、
「チームとは”個々の総和を超えたアウトプットを出す”ことが使命。このテクニックは最終的にアウトプットを良くできる場面でのみ使ってほしい」
とのことでした。また、実際に使わざるを得ない場面において、気を付けたいポイントは、
- 意図的にKY(空気読まない)でやること。
- 建設的な批判を心がけること。
- 参加メンバーへのリスペクトを忘れないこと。
の3点の説明もありました。
「チームのために、愛を持って「悪魔の代弁者」になってみる覚悟はできましたか?」
と、講師役の上司がそう言っていました。僕はできました。あなたはどうでしたか?
それでは、また。
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