「あなたはいつも卓球なのよ」
と奥さんが言った。子どもの保育園をどこにするかという相談を受けたときのことだ。
彼女が、こっちの認可保育園は設備がいいけど食事に気を遣ってくれないし、こっちの無認可保育所はその逆で食事はいいけど施設が・・と複数候補で悩んでいたところ、僕はいつものように、すかさずあれこれ提案した。
「ふむ、じゃあ整理しよう、あえて順番をつけるとこんな優先順位だよね」
「それだけ悩んだらどっちも正解だろうから、最後は”決め”だよね」
と。
冒頭の「卓球」はそのときに言われたこと。
「あなたはいつも卓球なのよ。こっちのボールをすぐ打ち返す。ドッジボールにしてくれない?一度受け止めて欲しいのよ。あら、あたし上手いこと言ったわね」
なるほど、と思った。たしかにそうだなと思ったし、なによりすごいわかりやすかった。たぶん今までも何度か同じクレームを妻からもらっていたけれど、今回が一番グサッときた。
そこからは「そうだよね」「悩みどころよね」「どうしましょうかしらね」と連発したら、それはそれで嫌がられた、とそういうお話。
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