「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」を読んだ
たまたま本屋で見つけて購入。少し前に流行った本みたいでAmazonのレビューも充実していました。
本書は自分の「強み」がわからない人、または、なんとなくはわかっているけれど言葉で人に説明できるほど整理できていない人のための内容になっています。
また、書籍で自分の「強み」を発揮することの重要性を理解しつつ、ウェブ上のテスト(「ストレングスファインダー」といいます)で、自分の「強み」を発見ことができる面白い仕組みなっています。
以下、概要と感想です。
概要
成功した人はみな「強み」に集中した人たち
ウォーレン・バフェット、タイガー・ウッズ、ビル・ゲイツ。成功を収めた人々の共通点は持てる才能を最大限に発揮し、自らの強みを磨き、仕事に活かす術を知っていたこと。
「弱点」にこだわってはいけなくて、「弱点」にはうまく折り合いをつけつつ「強み」を解き放ち、より鋭いものにすることに研ぎ澄ましていくことに集中することが重要。
「強み」=「才能」+「経験によって身についた能力(知識・技術)」
「才能」と「経験によって身についた能力」を区別する。「強み」=「才能」+「経験によって身についた能力(知識・技術)」という式で表され、特に「才能」が最も「強み」に影響する。
「才能」がなくても、経験によって「知識・技術」を修得することで「業務をやり遂げる」ことはできるが、「常に完璧に近い成果を上げ続ける」ことはできない。
「才能」の上に経験による能力(知識、技術)が乗って、初めて真の「強み」を発揮できる。なのでまずは自分の強みの源泉である「才能」がどこにあるのかを知る必要がある。
「才能」とは「繰り返し表れる思考、感情、行動パターン」
「才能」とは「繰り返し表れる思考、感情、および行動パターンであり、何かを生み出す力を持つ資質」と定義されている。つまり、すでに備わっている個性、嗜好、傾向の中で、何かしら成果に結びつく能力と言い換えることもできる。
▽「才能」を見つける手がかり
- 無意識の反応・・さまざまな状況下で自分は無意識にどのような反応をしているか?
- 切望・・幼いころに何かに夢中になりすぎて、大人に止められたような根源的な欲望はないか?
- 修得の速さ・・新たな技術を学び始めたとたん、スイッチがオンになり一気に修得してしまったことはないか?
- 満足感・・成し遂げたときに心が満たされることは何か?
これらの問いで出てくる答えが、自分の「強み」の源泉、つまり「才能」である。
34の才能
本書で定義されている「才能」の分類。以下の34種類。「ストレングスファインダー」で発見できる。
アレンジ、運命思考、回復志向、学習欲、活発性、共感性、競争性、規律性、原点思考、公平性、個別化、コミュニケーション、最上志向、自我、自己確信、社交性、収集心、指令性、慎重さ、信念、親密性、成長促進、責任感、戦略性、達成欲、着想、調和性、適応性、内省、分析思考、包含、ポジティブ、未来志向、目標志向
※それぞれの定義は長くなるので別記事で。
自分の5つの「才能」を知る「ストレングスファインダー」
34の才能のうち、自分に最も備わっている5つの才能を発見することができるテスト。巻末袋とじになっている固有のIDにつき、1回受講することが可能。 ※つまり本を購入した人のみ1回だけという制限になっています。
5段階のABテストになっていて、「A」「ややA」「どちらでもない」「ややB」「B」の中から回答を選ぶ。177問あり、1問20秒の時間制限あり。即答できるものもあるので、平均所要時間は35‐40分(僕も40分くらいでした)
※実際に「ストレングスファインダー」をやった結果も別記事で。
一枚絵にまとめてみた
内容をまとめると、こんな感じの絵になると思います。
- 才能がなくても知識と経験である程度成果を出すことはできる。
- ただし、完璧に近い成果を上げ続けるには、自分の才能が発揮できる領域に知識と経験を乗せていく必要がある。
- ということで、まずは自分の才能がどこにあるかを知ることが必要。(→ストレングスファインダーで)
感想
本書の良い点
- 「強み」とか「才能」といった定義が難しいことを言語化してくれている
- 1つ1つの「才能」の中身も言語化して説明し切ってくれている
- 才能が見つかるテストまでついていて読者全員が自分の強みの源泉を知ることができる
気をつけたい点
- 34の才能の定義や内容はこの本独自のものなので、このまま憶えることにあまり意味はない
- 同時にこのまま人に表明することにもあまり意味はない
- 自分が「強みをいかに伸ばすか、どう発揮するか」については具体的にはわからない
「強み」についての新しい気づきに富んでいる良書だと思いました。特に「才能」という曖昧な言葉を「無意識に繰り返される思考、感情、行動パターン」と言語化してくれたところが素敵です。
また、自分の「才能」を理解し、人生の指針に役立てられるだけでなく、人の「才能」を理解し、それを「強み」に繋げていくヒントになるという点で、企業における人材開発のシーンでも利用できると思いました。
一方で、どの才能を自分の武器として選ぶのか、そこにどういった知識と経験を積んでいくのか、その結果としてどんな成果を生み出していくのかは、当然ながら自分で選ばなければならないという意味で、「正しいスタートラインに立つ」ための本だと思います。
それでは、また。
コメント