を読んだ。
内容は、題名を読んで字のごとくで、大人としてのモノの言い方を身につけるための事例集となっていて、
「いいお天気ですね」「過ごしやすくなりましたね」
といった ”King of 当たり障りのない会話” として有名な天気の話から、
「お力添えくださいますか」
といった人に何かを依頼するときの言葉、
「現段階でお話できる範囲でお答えさせていただきます」
といったビジネスの場で質問を受けたときの切り返しや、
「軽く、どうですか」
など少しくだけたシチュエーションでのお酒の誘い方。
その他にも褒め方、ネガティブな言葉をポジティブな表現に変える言い換えの方法など、多彩なジャンルの文例をこれでもかっ!というページ量で説明し尽くしてくれている。
正直、昔の自分だったら「かあーぺっ!」と唾棄すべき部類の本だったと思う。「つまらない大人を増やすだけの、くだらないノウハウ本」としてバカにしていただろう。
だが、今回読んでみたくなったのは、歳を経るごとに「自分の発する一言の重さ」を感じると同時に、いい歳をしていまだに適切な表現を体得していないことをヒシヒシと感じ始めていたからなのと、「いいな、素敵だな」と思える人は皆こうした言葉づかいをきちんとできている人たちだと気づいたからです。
実際、この本で読んだ言葉を実際に実生活で使ってみると、コミュニケーションの質が一段引きあがるのを感じられるはず。「当たり障りのない」「ありがちな」言葉の数々が、なぜ今まで連綿と使われてきたのか。まさにこうした効能がある言葉だからだと今更ながらに気づきました。
同じ意味を表現するならば、相手も気分が良くなる言葉を選びたいものです。本書はそれを実行に移せる良書だと思いました。辞書のようなボリュームで1,000円という価格も魅力的。おすすめです。
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