会社を辞めたがる奥さんに対し、不当に反対をしてきた自分を解析できたので、今日彼女にお詫びをして「いつでも自由に辞めていいよ」と伝えた。
そもそもの話をすると、彼女は以下のような理由からここ最近、会社を辞めたがっていた。
- 子どもと一緒に過ごしたい
- 保育園の食事が心配で食べさせたくない(放射性物質への配慮がない)
- そもそも人生をかけてやりたい仕事ではない
それに対し、自分はずっと「基本、自由に決めていいよ」と言いながらも、以下のような辞めるデメリットを上げつつ「ただし、こういう変化があることを覚悟したうえでね」と伝えることで、実質的に反対をしてきた。(卑怯な男である)
<僕が考えた奥さんが会社を辞めるデメリット>
- 彼女の人生から大手企業の看板がなくなること(を彼女が許容できるかどうか)
- 給料や福利厚生の面で、家計に与えるインパクトが大きいこと
- 奥さん→家庭中心、僕→仕事中心、となることで二人の価値観のズレが広がり、わかり合えないことが多くなる可能性があること
これらの主張をしてきて、我ながら何か違和感を感じていた。違和感。常に物事の核心に迫るきっかけになる、重要な要素だ。なのでよくよく考えてみた。
項番1.は、奥さん自身も気にはしているものの、もともと二人の価値観からすれば大きな問題ではない。
項番2.は、事実だが、この理由で奥さんの人生の選択を狭める権利が僕にあるのかと再度問うたところ、そんな権利はきっとない、という結論に至った。そもそも奥さんの収入を前提としている人生って責任感が足りないなと思った。
また、項番3.は、実はずっと一番危機感を持っていた要素で、二人の生活スタイル・触れている情報のバランスが近しければ近しいほど、わかり合えるから、そこがズレるというのはすごい危険なことなんだ、と僕は主張してきた。「でも果たして本当にそうだろうか」という疑問を自らに呈した。その結果、以下の回答を得た。
- 夫婦とはそもそもあらゆる面で価値観のズレを持っているということ(事実いまだって結構ある)
- その違いを認め合い、高め合うこと(矛盾の止揚)こそが、夫婦という関係性の醍醐味であること
- その考え方からすれば、新たな価値観のズレ要素が増えることは歓迎されこそすれ、逃げることではないこと
これらの考えを通して、冒頭の判断を伝えた。
「お互いを縛り合うために夫婦になったわけじゃない。お互いを自由にし合うために夫婦になったんだと考えなおした。本当に今までごめんね」
まずは相手の伝えたいことを真摯に受け止める。次に自分の言っている意見の正確さを冷静に分析する。そのうえで第三者的な客観性をもって、お互いにとって共通の最上の答えを探す。その3ステップを、今回は踏めた。
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